オオカミオンナ | 第5話 情操教育に必要なもの

オオカミキッズの家です。

イマジナリーフレンドがワンコと会話中。

人形:
「ごめんよ、俺たちこの家を出て行くことにしたんだ」

ワンコ :
「えっどういうこと ? ずっと一緒じゃなかったの ?」

人形:
「俺たちはハイテク人形だから、あの子らにガジガジされるとおしまいなんだ。成長する前にボロボロに壊れるから、今夜逃げ出すことにしたんだよ」

ワンコ:
「そ、そんな、ボクはこれからどうしたらいいの」

オオカミ:
「俺がいるぜ、兄弟。俺らはかじられて腹わた飛び出ても、糸でチクチクすりゃ生き返れるけど、こいつらは壊されたら最後だからな、黙って見送ろうぜ」

「それじゃ出発するよ 、急いで !  」

「元気でね・・・」

「みんな、返品シールは貼ったかい ? これをつけて工場に戻れば、きっともう一度新しい家に送ってもらえるよ。次は普通の子供たちの家に届くことを祈ろうな」

「きみとはまたどこかで会える気がするよ、元気でね」

(うん、また他のストーリーで再会するでしょう)

脱出成功〜

突然トイストーリーの世界になってます。
イマジナリーフレンドは赤ちゃんと一緒に届く人形で、大事にすれば子供と一緒に成長して本当のシムにもなれますが、この家ではオオカミキッズがガリガリ破壊するので、身の危険を感じた人形が逃げ出すという、新しい話を盛り込みました。

「ガルル・・・人形がいない !   あれでガシガシ爪とぎがしたかったのに」

「まあいいじゃないか、他にもおもちゃはたくさんあるんだし」

「わんわんとあそぶー」

「あーそーぼ」

がじがじがじがじがじがじがじ

ぼくは愛されワンコ。これがぼくのお役目です。

子供の成長に必要なんです。みんなたくましく育ってください。

がしがし、もう部屋中スクラッチ

「あーおもしろかった」

こんなに素晴らしい情操教育のおもちゃがあるでしょうか。

「さっきはごめんねー、仲良くしてねー」

からの

むぎゅっ  ソンナノカンケイネェー

ドナドナちゃうよー

どなどなどーな♪

子供達はみんなこのワンコが大好きです。

オオカミ人形 :
「いいじゃねぇか、兄弟。俺なんてツラがわりぃから誰も遊んでくれねえよ」

ワンワンだいすき〜

つづく

次回はしっぽのことなど

つづきはこちら — > 第6話 毛の話など

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